2012年9月6日木曜日

感想 「おもしろびじゅつワンダーランド展」いってきました


夏休み企画としてサントリー美術館で開催していた「おもしろ美術ワンダーランド展」は、とってもおもしろでした。

今ではうやうやしくケースに収められた美術品。
本来生活の中にあったはずの美の身近さを、もう一度感じ直そうということで、展示方法などの工夫盛りだくさんで、日本美術の魅力を体感するというすてきな企画でした。

どれもこれも面白すぎて、「来て、見て、感じて、驚いちゃって!」の謳い文句通り、わー!きゃーと楽しく時間が過ぎました。

屏風に描かれた武蔵野のススキ林をさらにススキ林越しに眺める。

和ガラスの藍色ドームでは、移り変わる光に照らし出される美しい薩摩切子。

歌川広重の「即興かげぼうし尽」に描かれている影絵遊び。
それをそのまま体験できるコーナーがあり。

とかとか、などなど他にも色んな美術品が、ほんとうに考え抜かれた手法で「見る」「感じる」楽しさを演出してくれていました。「体感型にしようぜ!」と試みありきの展示はさまざまあると思いますが、実際のところ日本美術の面白さやすばらしが分かっているからこそ、今回の展覧会が面白かったのであって、そこを押さえていなければどんな形であれつまらないものになってしまうんだろうなと思いました。

そして一番楽しかったのがこの「京都街中タッチパネル」。


京都の街を描いた「洛中洛外図屏風」をデジタル化し、タッチパネルで細部まで拡大して見れるというもの。そばに展示されている本物の屏風そっちのけで、タッチパネルに夢中。これは土佐光高という人が描いたとされていますが、拡大して見て分かったのは、なぜか疲れたような物憂げな人の多さ・・。なぜ?


髪の毛もしなだれて、どんな苦しいことがあるというのでしょうか。
数あるほかの洛中洛外図屏風の中にも、こんなに面白い人がいるんでしょうか。であれば全部を見比べておもしろNo.1を決めたい。

このままアプリにしてほしいほどです。
ウォーリーを探せの楽しさを思い出すような屏風パネルでした。

さらに良かった点は、すべて写真OKだったこと。関連イベントでは、鈴木芳雄さんによる美術ブログの書き方講座もあったようで、今回の展覧会に関するブログも写真が沢山アップされていることだと思います。

そして待ちに待った次回のサントリー美術館の展覧会は「お伽草子」展。


鼠草子絵巻をはじめ、どんなお伽草子の世界が見られるか楽しみであります。!



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