2011年11月17日木曜日

民の歌

シャンシャンシャン ・・・ ・・・

と、そろそろクリスマスの曲が流れ出すころ。

人々の祈りが込められて歌いつがれた賛美歌は、異国の人でも、異教徒の人でも、どこか聖なる気持ちにさせる力がある。

それって一体何の力なんだろう ?

とにかくクリスマスソングはいいものだなあと思うので、季節に関係なく聴いている。

Oh Holy night


考えてみると、宗教的な音楽とか、その土地に伝わってきた民謡や民族音楽のパワーってすごいねえ。たとえ歴史や背景を知らなくても、その音楽に触れるとビビーンと響くものがある。人間が生きる力が塊となって音楽の中に凝縮されているようで、心に訴えかけてくるのかもしれない。

「つらい時こそ笑いに変えよう」みたいに言われる事と、こういう音楽はどこか似ている気がする。笑いが苦しさを昇華させてしまうように、人の思いが歌や音楽になるときには、一歩何かを乗り越えたところにいる。そもそも音楽自体がそういう救いの作用を持つものなんだろうね。

日本の民謡もそうだし、アリランとか、ハワイで見たフラダンスショーでの伝統的な音楽も、しらぬ間聴き入ってしまうというか、聴いているうちにすーっとどこかへ連れて行かれそうになる、変な力がある。

そんなことを思ったのは、最近テレビでスメタナの「モルダウ」を聴いたから。これまで何度も耳にしたけど、改めてしっかり聞くと、涙が出るほどに素晴らしかった。モルダウ川なんか見た事も無いけど、なぜか光景が見えてくる。メロディは、何故情景を見せることができるのか?

The moldau

これは、ヨーロッパで民族主義運動が盛んな頃に、スメタナがチェコの失われかけた民族の文化を復活させようと国民音楽として作った曲だそう。その連作交響詩「わが祖国」の中の第2曲が「モルダウ」。
そんな歴史を考えると、とうてい民族意識なんて自分に分かる時はないんだと思うけど、なぜか郷愁とか民族の血とか歴史とかを思い起こさせる。壮大で力強いけど、ノスタルジアを感じる。この曲に込められた力が心を打つ。
すごいなあ。

信じるとか祈るとか 生きる力とか。

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