2011年9月27日火曜日
朽木ゆり子×山下裕二 きいてきました
『ハウス・オブ・ヤマナカ
ー東洋の至宝を欧米に売った美術商』
メトロポリタン美術館やボストン美術館は
なぜ、国宝級の日本美術品のコレクションをもっているのか ?
今ではその名前を知る人も、
美術業界の人たちだけとなってしまったが
明治から戦前にかけて、欧米へ進出し、
日本や中国の美術品の流通の一端を担った
「山中商会」という世界的美術商が存在した、、、
すこし聞くだけでも、興味をそそられる話ですが、
今までまとまった研究のされていなかった
「山中商会」について、著者が長年にわたって探し出した資料を元に
その活躍から消滅までを描いた本だそうです。
ということで、本自体はまだ読んでないですが、
本の刊行を記念して開催された
著者の朽木ゆり子さんと、美術史研究者の山下裕二さんの
トークイベントがあり、昨日行ってきました。
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第92回紀伊國屋サザンセミナー
『ハウス・オブ・ヤマナカ』(新潮社)刊行記念
消えた世界的古美術商「山中商会」
出演:朽木ゆり子 山下裕二
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これまで山下先生の本は、いくつか読んできて
一度生で話を聞いてみたかったというのと、
「山中商会」についての興味で行ってみる事に。
本はたくさん読んでいても、できれば温度感をもって
人が語る話をそのまま聞いてみたい。
ときどき出掛ける、講演会などは
理解を進めるのに大きな手助けとなっています。
著者が、大変な労力を使われて書き上げた内容も
後になって概要を聞いてみると、
これほど大きな美術商で、日本の美術史を考えるなかでも
重要な存在について、今まで研究が無かったことが
意外なような気にもなる。
でもそれは、できあがった本という形のものを
あたりまえに読んでいる私がすっかり忘れている事で、
改めて、先行研究もなにもないところから調べ上げるって、
研究者のような人にはあたりまえの行為かもしれないけど
それってすごいなあと感じた。
現在はロンドンのほうで、本格的な研究もされ
論文を書いている人がいるということで、
こうやって研究は広がっていくんだと思うと
物事って知らないところでどんどん進んでるんだなあと
勝手に感慨の気持ちになったり。
あの有名なプライスコレクションの始まりも、
メトロポリタン美術館にある八ツ橋図も、
あれも? え、これも? みたいな感じの美術品が
すべて、当時の山中商会が関わっていんだそうです。
本と同じように、出来上がった美術館のコレクションしか
知らないわたしは、今当たり前に美術品として収まっている物が
大名家や、コレクター、有名富豪、美術商など、数々の場所を経て
移動してきたことを想うと、それが海外に行ってしまったことは
少しさみしい気もしつつ、それぞれの経緯に時代のロマンを感じてしまう。
スライドをみながら、ときどきはさむ
山下先生の多少きつめな冗談にも、なんとなく共感してしまいながら
あっというまの1時間半でした。
会場には、あれ? 雑誌とかで見たことあるような、、
みたいな美術業界の人や
千宗屋さんとか杉本博司さんとかが見えていました。
11月には、山種美術館で山下先生の講演があるとのことで
早速申し込んでみました。
たのしみだなあ 。
芸術の秋。
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