2012年3月7日水曜日

感想 「ジャン=ミシェル オトニエル:マイウェイ」 いってきました


原美術館へは道中くじけそうになるので一人で行けません。そしてコンテンポラリーな人のアート展も、一人よりは二人が楽しいのでいつものごとくKちゃんと、

ジャン=ミシェル オトニエル マイウェイ展へ行ってきました。


2011年にポンピドゥーセンターで行われた回顧展は20万人の入館数があったそうです。その展覧会を原美術館サイズに再構成して行われたのが今回の展示、日本では初めての個展とのこと。ParisからSeoulへTokyoのあとはNew York... となにかの歌♪みたいに巡回予定。

1964年、フランス生まれのオトニエル氏。90年代くらいまでの作品には柔らかい可変的な素材が使われていて、ガラスでの表現とは印象が全然ちがう。感情にひっかかるような生々しさや苦しさが垣間見えてあまり好きではなかった。
オトニエル氏のガラス作品は本当にきれいで、過去の作品からの移り変わりを見ると、美しいガラスに出会ってよかったなあと思う。ガラスの秘める力とこの人の性質みたいなものが効果的に交わってとても魅力的でした。そういう意味では素材に出会うということは、アーティストにとって大きな転換期になるんですね。

「2連ネックレス」2010

ガラスは突如の衝撃で壊れる。
ガラスは光を通過させる透明性を持っている。
美しく危うい性質が、人をその前に立たせる時、妙な緊張感にさせる。ガラスそのものは、何かを内に守っているようにもみえる。神秘性のある不思議な素材。。
ガラスを意識させるように作られた作品は、テーマは違っても共通して同じ感覚を持たせるような気がするので名和晃平さんのガラス作品などを思い出しました。

「涙」2002

なんといっても良かったのは、写真OKの展覧会だったこと。水の入った「涙」はフォトジェニックというのか、色とりどりのガラスが少しの視点の違いで全く違ってみえるのがおもしろくて、ずっと写真をとりたくなるような作品でした。

「ラカンの大きな結び目」2011

一番最近のラカンの結び目という作品は、それまでのファンタジーさから抜け出たようなダイナミックさがあって印象的でした。色や形を見つめるような内面性だけでなく、外側へ向けたメッセージを発しているような哲学的な作品でした。

フランク・シナトラの歌からの展覧会タイトル「my way」。自分の道のりを懐古する意味ではなく、様々に展開してきた現代アートの中での、自分ひとりの独自の道という意味だそうです。そして展覧会の行われるどの国でもすぐに分かるからと。(ポンピドゥーセンターのプレスリリース)。


人間もっと考えることすることも、枠をとっぱらって何でも自由に発想できる・・・ そういうものだと思うけど、しらずしらずour wayになって見えない人の後ろを付いて行ってしまう。自由に生きてるような気がしても、広い公園で遊んでいるだけだったような。べつにやりたい事をして生きようと意気込むわけじゃなく、人ってもっと単純に、自由に生きてもいいんだなあとふと思うこの頃。




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