2012年1月22日日曜日
「たけしアート☆ビート」 少し振り返り
去年からNHK BSプレミアムで放送されている「たけしアート☆ビート」は、本当におもしろい!「たけしがいま、一番会いたいアーティストに会いにいく」というキャッチコピーで、国や分野を問わず、色んなアーティストの制作の場に訪れる。それが知っている人でも知らない人でも、どの回も新しい発見や感動があって毎回楽しみにしている。そしてやっぱりビートたけしとそれぞれのアーティストが出会うということ自体が面白い。
今週は、フラワーアーティスト、 ダニエル・オスト。
日本の影響も受けながら、大胆なデザインとモダンさを併せ持つ、不思議な魅力の作品を作るひと。紹介される作品ひとつひとつに、眼が釘付けに。ビートたけしが訪れたベルギーのアトリエも、作品だけじゃなくそこにあるもの全て、とってもセンスがスゴい。
ダニエル・オストの作品は花だけど、その形、様相、全体を見ていると、別の世界を覗いているような気になってくる。
はぁ〜・・・ おいしいお茶を飲んだ後のような、。とってもよかった。
また、これまで見たどの人もオリジナルの哲学を持っていて印象深い。
火薬を使う中国のアーティスト、蔡 國強。実際に行われたかは知らないけど、グラウンドゼロの真上に、黒と白の重なり合う煙を打ち上げるイメージには息をのんだ。
日本、京都の深い伝統を受け継ぐ造園家、82才の16代目佐野藤右衛門さん。侘び寂びの美意識や文化が生き様として染み付いていて渋い。
(この記事の写真がかっこいい・・)
染色工芸作家の柚木さんの回は、柚木さんとたけしさんが秋枯れの公園へ出掛けて、柚木さんの染めた布を木にひっかけたり、まとわせて遊ぶ。おじいちゃん二人が主人公の、そのまま映画になりそうですてきだった。
数々の世界の名車のデザインで有名な奥山清行さんは、修練のように常にスケッチを重ねる。アイディアが出尽くしてもひたすら書きまくるという。洗練された車という工業製品のデザインも、手という道具に信頼を置く職人気質で裏付けされたものがある。あらゆるものづくりの事に通じるような話だった。
ガラス作家のブルーノ・アマディは、とてつもなく天才的だった。 すごいスピードでガラスの棒から生みだされる虫や生き物は本物と見間違うような生命感と美しさがあった。ベネチアにある小さな工房兼ショップで、時にはお客さんを閉め出してもガラス作品を作り続けるさまは、ちょっと気難しいおじさんに見えるけど心豊かな笑顔が印象的だった。
沖縄で織物を作る上原美智子さん。からからから、きー、ことん・・。織り機の音はなんと心地いいんだと思った。部屋を抜ける沖縄の風も一緒に織っているような、優しい優しい回だった。上原さんもとても優しそうな人で、その柔らかい表情は、織物を介してつながる自然を慈しむ心でできているんだと思った。素晴らしい作品を作る人になればなるほど、“自然から頂いている”とか“素材の声に耳を傾ける”とか自然との関わりが深くなるようだ。
他にも帽子デザイナーの平田暁夫さん、「ビーチアニマル」で有名なテオ・ヤンセン、刀鍛冶の吉原義人さんなどなど色んな人の話が興味深く、全回もれなくおもしろい。
次回は帯プロデューサーの山口源兵衛さんということです。
着物のこととか、奥深そうな世界過ぎでとっつきにくかったけど、また新しい発見や感覚があるんだろうな。
楽しみに見よう。
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