4月。
たまたま見た映画が、妙に心に残りました。
きっと映画館で上映されていても観にいかないし、
TSUTAYAに並んでいても手にとらない。
深夜映画ならではのあの感じ。
ごろんと見てたら、突然「!」となったり涙していたり。
見なかったはずのものだからこそ、
それに出会えた小さなラッキー感が嬉しいあの感じ。
出会わなかったはずのもの、しなかったはずのこと。
積極的に選んだんじゃなくて
テキトーなチョイスでしたことが、
意外と特別なものになっていたり。
けっこう毎日のなかでもあったりする。
映画見るとか見ないとか
そんな小さいレベルでもあるんだから、
人生全体の際限のない選択肢の量を考えると
そんなことってどれだけあるんだろう。
選択肢によってはパラレルワールドのように
一瞬先にちがう世界が広がっている・・
という可能性があるのをおもうと、未来の予測も気になるけど、選択の積み重なった過去や歴史を振り返るのはおもしろい。
何が何に影響を与えてるなんて分からないほど複雑!
そしてそのたまたま見た映画。
『カオス・セオリー』
自分の行動を何でもTO DOリストにしないと気がすまない主人公。ある日妻が時計を10分遅らせたことによって彼のスケジュールが狂い、予測不能の出来事が巻き起こる。。というストーリー。
タイトルになっているカオス理論というのは、
「何かしらの法則に従っているにも関わらず、結果として予測不能で複雑な行動を示す現象」
を扱う理論ということで、せっかく調べたので忘れないようメモ。
様々な自然現象、打ち寄せる波、心臓の鼓動などもそのようなカオス現象の一つで、一見ランダムに見える動きをしているが決まった法則の下に生じている現象。しかしあまりに複雑な要因が絡み合いすぎて、少しの差が全体に大きな影響を与えていたりする。というのも、これらの振る舞いの予測をするにも、最初に設定した初期条件がわずかでも違えば結果が大きく変わってしまう。例えば天気予報が100%当たらないように、ほんの少し条件が違うだけで予測は「晴れ」から「雨」になる。さらにその初期値を正確に観測するということさえ、無限に桁が必要になってしまうような正確さがいるため、予測をすることが事実上不可能。この「初期値の鋭敏性」の問題は、「ブラジルの蝶の羽ばたきがテキサスにトルネードを引き起こすか」という気象学者の言葉からバタフライ効果とも呼ばれる。
という話だったのですが。
カオス理論の興味から、この映画を手に取った人はきっとがっくりするほど、内容は知的な話ではなく普通の映画。なんとなくカオス理論が全体に行き渡っているような人間ドラマ。初期値の問題で言えば、奥さんが時計を10分だけずらすということによって結果がとんでもないことになるというところとか。
中途半端といえば完全に中途半端な映画なのかもしれず、コメディ的なところもありシリアスなところもあり、どちらにも寄り切れていない半端さが嫌な人はいやだと思う。話の流れもどういう感じで進むんだろうということさえ曖昧な、、
でも逆にそれがすごく良かった映画でありました。
コメディともシリアスともハートウォーミングともわからない。
どの要素もあって、どれとも言えない。
でもそれがもしかすると人生?
んなことも思ったり。
だからって、映画の内容がすごくリアルかと言ったらそうでもないけど、色んな意味でのわからなさが、ぐっときたポイントでした。ともすればアダム・サンドラー的コメディ映画にも、反対に『ロスト・イン・トランスレーション』な雰囲気映画にも、振れようと思えば振れるけどそのどっちつかずさがいいと思える映画。
ゴシップ的には、この主人公の男の人、スカーレット・ヨハンソンと離婚して、今はブレイク・ライブリーと交際中なんだそうです。色男!
『カオス・セオリー』の好きな感じは、たまに深夜でも見かけたことある気がするこの映画にもなんとなく?共通。
『フェリスはある朝突然に』
これは本当に大好きなNo.1映画。
しかし21時台には、まあ観ることはない、大きな引きはない映画。そこが深夜映画の良いところ。
とは言えアメリカでは王道的に今も人気を誇る映画だそうで、今年のスーパーボウル用にホンダがこの映画のパロディCMを作ったそう。こういうのたのしい。
そしてこの主人公の人は、サラ・ジェシカ・パーカーの旦那さんなんですって。なんと全然知らなかったー。
さて4月に観た深夜映画は、私の未来の振る舞いを何か変えるものになるのでしょうか。
取るに足りないようなふとした深夜映画が、もしかすると私のカオスな人生の、全体を大きく変える小さな要因だったりして。
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